学生を対象としたファッションコンテスト「YKKファスニングアワード」の授賞式を行った。同コンテストはアパレルとファッショングッズ部門の2部門で構成され、同社のファスナーやバックル、スナップ、ボタンといった副資材をデザインや機能にどう組み込んでいるかが審査のポイントになる。19回目を迎えた今回の応募総数は6486点に上った。審査員は、モデルの冨永愛、デザイナーの廣川玉枝、大谷裕明YKK社長らが務めた。
アパレル部門のグランプリは名古屋モード学園の杉山侑己菜さん、ファッショングッズのグランプリは同じく名古屋モード学園の岩堀真理乃さんが受賞した。グランプリの2人には賞金100万円と副賞のYKKファスニング製品5万円相当が授与された。
アパレル部門のグランプリを受賞した杉山さんは“3Dスイッチ”をコンセプトに、「スナップを留めることが立体へのスイッチになる。簡単に留め位置を変えられる機能を利用し、形を変形させて着用でき、また、1枚の平面が立体になることで生まれるゆがみや違和感を楽しむ」ことを目指したという。授賞理由を藤田恭一デザイナーは「最小限で最大限の効果があるモノ作りを評価した。計算された位置にタックボタンなどを配置して、ダイナミックに表現しており、機能性とデザイン性に優れていた。また、YKKのタイポグラフィーが明確なイメージを与えており、工業的なイメージを高度に処理していた。インナーに至るまで丁寧にデザインされていて、強さとセンスが光った」と語った。
ファッショングッズ部門のグランプリを受賞した岩堀さんは、“楽しく作れる折り紙バッグ”をコンセプトに、「紙風船の折り順をカラフルで親しみのある色で表現した」という。授賞の理由をヒールレスシューズで知られる舘鼻則孝は、「広げると一枚の布というそぎ落とされたデザインで、刺しゅうなどがデザインだけでなく機能にもなっており、ミニマルに計算された作品」と語った。
そのほか、優秀賞のアパレル部門は杉野学園ドレスメーカー学院の福田流さん、ファッショングッズ部門は成安造形大学の内野菜摘さん、審査員特別賞のアパレル部門は北海道文化服装専門学校の石澤駿さん、ファッショングッズ部門は文化服装学院のキム・ハンビム(Kim Hanbim)さん、YKK特別賞のアパレル部門はエスモードジャポン京都校の瀬戸川裕太さん、ファッショングッズ部門は中国デザイン専門学校の永井杏実さんがそれぞれ授賞した。